クラフトビールとは?

人気の高まりと共に街で目にする機会が増えているクラフトビール

クラフトビールとは
「小規模醸造所でビール醸造家が品質や味を追求した醸造したビール」

小規模の小回りの良さを活かしていろいろな原料の組み合わせや
醸造方法に挑戦し美味しいビールを醸造している。

ビアスタイルとは?

ビールは原料の組み合わせや醸造方法の違いで、喉ごしの良いもの、苦味の強いもの、濁ったもの、
ホップの香りが強いもの、色が黒いものなど様々な種類が造られています。
ビールの種類は「ビアスタイル」と呼ばれその数は100種類以上あります。
自分の好きなビアスタイルを見つけるのもビールの楽しみ方の一つです。

ビアスタイルは発酵方法で「上面発酵」「下面発酵」「自然発酵」の3つに分けられます。
「上面発酵ビール」は「エール」とも呼ばれ、エール酵母を使用し比較的高い温度で発酵を行い
発酵の際に酵母が出す多様な香りやホップの香りが溶け込み華やかでフルーティな香りのビールに仕上がる。
冷やした状態からの温度変化による香りの違いも感じることができます。

「とりあえずビール!」でお馴染みのビールの多くは、ラガー酵母を使用して比較的低い温度で発酵させる
下面発酵ビールで「ラガー」と呼ばれ発酵がゆっくり進むので仕上がりに時間は掛かるが
クリアでスッキリとした爽快な喉ごしが特徴です。

「自然発酵」は発酵時に自然の風に麦芽を晒して野生酵母や酪農菌など様々な菌を取り込み
発酵させるなど酸味のあるビールが多い。

ビールの色合い

ビールの色合いを表す指標として「SRM」「EBC」が使用されている。
SRM(Standard Reference Method)は主にアメリカで用いられ、Lovibond値とほぼ等しい。
EBC(European Brewery Convention)はヨーロッパを中心に用いられている。

 Standard Reference Method(SRM) アメリカを中心に使用されている色指標

「SRM」「EBC」共に色合いを数値で表すことができ換算式は以下の通り:
EBC=SRM × 1.97
SRM=EBC × 0.508

ビールの濃淡及び濁りを左右する要因

麦芽の種類:
 淡色ビール(淡色麦芽)⇔ 濃色ビール(濃色麦芽)
水質:
 淡色ビール(軟水)⇔ 濃色ビール(硬水)
タンパク質:
 透明(少ない)⇔ 白濁(多い)
濾過:
 透明(実施)⇔ 白濁(未実施)

苦味レベルを決定する要因と単位

ビールの苦味はホップに含まれるアルファ酸によってもたらされ、「IBU」という単位で数値で表される。
1IBUはビール1L中に1mgのアルファ酸が含まれている状態で
一般的にライト、ミディアム、ストロングという言葉で苦味を表すこともある。

エクストラライト(非常に弱い苦味)10 ~ 15 IBU
ライト(弱い苦味)16 ~ 24 IBU
ミディアム(中程度の苦味)25 ~ 30 IBU
ミディアム・ストロング(やや強い苦味)31 ~ 40 IBU
ストロング(強い苦味)41 IBU 以上
苦味レベルとIBU値のおおよその関係

代表的なビアスタイル

果実のような香りと苦味のバランスが良い

発祥国イギリス
発酵方法上面発酵
SRM(色) 5~12
IBU20~40
ABV4.4~5.3%

酵母由来のフルーティーな香りとホップ由来の苦味のバランスが非常に心地良い。ペールエールのペール(pale)とは「淡い」という意味。

多様なホップの香りと強い苦味が特徴

発祥国イギリス
発酵方法上面発酵
SRM(色) 6~14
IBU35~63
ABV4.5~7.0%

18世紀にイギリスからインドへビールを運ぶために防腐剤としてホップを大量に入れ改良され誕生したビール。ホップの香りと強い苦味が特徴。

酵母の香りが特徴的な小麦を使用したビール

発祥国ベルギー
発酵方法上面発酵
SRM(色) 2~4
IBU10~17
ABV4.8~5.5%

小麦のタンパク質によって白濁し、クリーミーな口当たりと爽やかな酸味が心地良いビール。風味づけのためにコリアンダーやオレンジピールが使用。

焙煎香と濃い色合いが特徴の黒ビール

発祥国イギリス
発酵方法上面発酵
SRM(色) 20~35
IBU20~35
ABV4.4~5.9%

「古いブラウンエール」に「新しいブラウンエール」「ペールエール」を混ぜて作った「スリースレッド」というビールが広まり予めブレンドして造られたスタイル。

焙煎した大麦を使用した黒ビール

発祥国アイルランド
発酵方法上面発酵
SRM(色)40+
IBU30~40
ABV4.0~5.3%

ポーターの改良版の黒ビール。焙煎された麦芽化されていない大麦が濃厚なコクと特有の苦味とロースト香を生み出しています。透けて見えない程、黒いのも特徴です。

ドイツ伝統の白ビール

発祥国ドイツ
発酵方法上面発酵
SRM(色) 3~9
IBU10~15
ABV4.9~5.5%

ヴァイツェン酵母を使用してバナナのような熟れた果実やクローブにような香りや小麦麦芽を使用しクリーミーな泡持ちと白濁が特徴。ヴァイツェンとはドイツ語で「小麦」の意味。

人気のIPA進化版 濁りと強烈なホップの香りが特徴

発祥国アメリカ
発酵方法上面発酵
SRM(色) 4~9
IBU30~60
ABV6.3~7.5%

タンパク質などによって濁りがあるIPA。多様なホップ香のアロマとフレーバーも強く感じることができるビール。Hazy(ヘイジー)は「濁り」の意味。

軽い飲み口で喉の渇きを癒した伝統的なビール

発祥国ベルギー
発酵方法上面発酵
SRM(色) 4~7
IBU20~38
ABV4.4~6.8%

ベルギーの夏に欠かせなかった伝統的なビール。農作業の合間に飲むことも多く軽い飲み口。セゾン特有のスパイス、ピーチ、グレープフルーツを思わせる香りが感じられる。

澄み切った透明感、程良い苦味と爽快なのど越し

発祥国チェコ
発酵方法下面発酵
SRM(色) 3~6
IBU30~45
ABV4.0~5.0%

チェコ・ボヘミア地方のピルゼンで誕生した世界初の黄金色のビール。きめ細かい泡とクリアな透明感、ほど良い苦味とスッキリとした爽快なのど越しが特徴。チェコ産のものは「ボヘミアンピルスナー」と呼ばれる。

クリアな外観とすっきりとしたのど越し

発祥国ドイツ
発酵方法下面発酵
SRM(色) 3~4
IBU25~50
ABV4.5~5.3%

日本でビールといえばこのジャーマンピルスナーをお手本に造られたラガービール。きめ細かい泡とすっきりとしたのど越しと爽やかな苦味が特徴。

デュンケルはドイツ語で「暗い」の意味

発祥国ドイツ
発酵方法下面発酵
SRM(色) 15~17
IBU16~25
ABV4.8~5.3%

ホップ由来のアロマは抑えられ、モルト由来のチョコレート香、ロースト香、トースト香若しくはビスケット香が感じられる。モルト由来の甘味とホップの苦味がバランス良く感じられる。

クセがなく軽い飲み口でごくごく飲めるビール

発祥国アメリカ
発酵方法下面発酵
SRM(色) 2~4
IBU5~15
ABV4.0~5.0%

モルト由来の風味やホップの香りや苦味は抑えられ、副原料にコーンや米などを使用することが多い。非常にクリーンで爽快、炭酸が豊かでドリンカブルなビール